「徹底自粛、徹底補償」を批判していた京大大学院藤井聡教授の変節と裏切り【篁五郎】
言っていることは矛盾だらけ 京大教授藤井聡が信用できない4つの理由
◾️「コロナで死ぬのは老人だけ」と態度を180度変える
ところが、藤井教授は発言を一変させる。コロナ感染者が多いのは高齢者というデータを元に「高齢者だけ徹底的に隔離しろ」という現実的に不可能な提言をしたり、「自粛派になってしまっているのは、コロナに壊される『社交』を持たない人々」の集まり「コロナ脳の人々」とレッテル貼りをしてきた。しかもワクチンや治療薬がいつ完成するのかわからないのだから、いつまでも行動制限をしていたら社会活動も経済活動もできなくなり、人が生きていけなくなると断言していた。
しかしワクチンが開発されて無料で高齢者から接種が始まると、藤井教授は自らの発言を忘れたかのようにワクチンにも否定的な態度を取り始めた。自身の有料メルマガの中では以下のような文章を掲載している。
「ホントならワクチン打たなくていいのに、ワクチンうたされて、かえって国民が不健康になる」
つまり藤井教授はコロナワクチンを不要だと意見を変節したのだ。にもかかわらず、コロナワクチンを接種したことをSNSに投稿し、主張の変節ぶりを指摘されるとその投稿を削除。なぜ削除したのか? その理由はいまだに語られていない。
◾️反自粛の根拠も薄くて浅かった 「我田引水」を地でいく変節
言論において意見の修正は悪いことではない。自らの意見を振り返り、おかしな点があれば変えるのは建設的な議論において大切である。しかし藤井教授の場合、主張が矛盾する上にデータの解釈が間違っていることが多い。2022年にはコメンテーターとして出演しているABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」や文化放送「おはよう寺ちゃん」で「コロナの問題は、欧州は終わってる」と述べ、日本だけが未だに対策をしていると断言して政府を批判した。
しかし藤井教授の発言とは真逆に2022年から死者は増え始め、同年の国内の死者数は158万2033人で前年よりも12万9744人も増えている。藤井教授の発言がいかに的外れで、いい加減な内容かがわかるであろう。
「コロナは風邪」「反自粛」の言論人として藤井教授は様々な場に顔を出してきた。コロナ特別措置法に基づいて、東京都が営業時間短縮命令を出したのは違法だとする飲食店経営のグローバルダイニングが起こした民事裁判でも、証人として出廷し証言をしている。この裁判は、原告の主張を一部認め、「命令は特に必要と認められず、違法」したものの、「都知事に過失があるとまでは言えない」として原告側請求を棄却していた。
司法は、「緊急事態宣言が残り4日で解除されるのに、東京都はきちんと説明しないで20時以降の営業を止める命令を出すのは違法」だと判決文で述べている。つまり原告の「特措法が違憲」という主張は退けていた。
しかし藤井教授はこの点を無視して自身のTwitter(現・X)に以下のような投稿をしたのだ。
《この判決は膨大にある不当コロナ行政の氷山の一角です。だからこそ2年以上も不当に自由を奪った行政/社会のコロナ対応を絶対に忘れてはなりません.》
司法は、行政のコロナ対策を不当とは述べていない。国の緊急事態宣言が解除されるのに都が説明なしで、20時以降の自粛要請をした点を違法としているのだ。
自分に都合のよい点だけを取り上げて、自説の正しさを訴えるのが藤井教授である。言論人としてあるまじき行為である。藤井聡は学者としても言論人としてもまるで信用できない人物である。